ますます増える残業時間「月最大100時間」労働者の精神状態は?

こんにちは ADHDのダイスケです。

発達障害や精神障害を抱える方たちだけでなく、全ての働く人たちにとって嫌なニュースが舞い込んできました。かねてから長時間是正に取り組んでいた政府と労使が残業上限規定を見直しました。

私は、そのニュースを目にして非常に憤慨しております。

ますます増える残業時間「月最大100時間」合意 

3月14日 東京新聞朝刊第一面から

経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長は13日、焦点となっていた企業の長時間労働の是正に向けた残業上限規制について、繁忙期などは月最大100時間と基準に法定化することで合意した。両氏と首相官邸で会談した安倍晋三首相は、月100時間未満で最終合意するよう求めた。政府は17日で正式に決定する見通し。

この合意の要旨
  • 残業は原則として月45時間、年360時間を上限とする。
  • 繁忙期に限り、年6カ月まで月45時間を超える残業を特例で認める
  • 特例の上限は単月で月100時間未満とする。2~6カ月では平均80時間を上限とする。
  • 特例の延長分を含めても年720時間以内でなけらればならない
  • 就業から始業まで一定の休息時間を設けるよう、法律で企業に努力義務を課す。
  • メンタルヘルス対策やパワハラ対策について政府と検討を進める

政府と財界はこれ以上過労死と長時間労働による精神疾患を増やす気か?

月100時間ですって!!これじゃ死んじゃうよ!

この取り決めは、労使協定を結べば、繁忙期など半年間に限り特例で月最大100時間、2~6時間の月平均で80時間以内で残業を認めるというものです。月80時間ていうと、月20日働くとして、毎日4時間の残業。という事は定時8時間に残業4時間。毎日12時間も仕事をしていることになる。残業5時間だと、13時間。

残業時間80時間というと、厚生労働省が定める過労死の認定基準です。つまり、月80時間を超えるような残業は、過労死の危険性がありますよという事です。

今まで、労働基準法に定められた法定労働時間なんてなんのその、実質青天井で残業時間を延ばせる仕組みがありましたが、この取り決めは、働く人の健康を確保するため、ある程度歯止めをかける意味ではいいかもしれませんが、まだまだ時間が長すぎると思います。

この取り決めは経団連が主張したものに政府や連合が押し切られた

あくまでこれは繁忙期に限るとしていますが、日本の東証第一部上場企業の経営者を中心に構成される連合が、あくまで企業の論理、経営者の立場で主張し押し切ったものです。労働者の働きすぎによるメンタルヘルスなど全く考慮していません。

経団連など、日本の経済を支える団体の影響力は、政府や有力な労働組合まで押し切ってしまうほどです。これでは立場の弱い我々労働者なんて太刀打ちできません。

結局は自分のところの会社の利益拡大しか頭にないのでしょう。そのためには、労働者は自分の身を削ってまで働けという事でしょうか?

労働基準法と残業について

労働基準法では、法定労働時間は8時間と定められています。

労働基準法第32条

①使用者は労働者に休憩時間を除き、1週間について40時間を超えて、労働させてはならない

②使用者は1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない

労働基準法は、一人でも使用している事業者を含めてすべての事業者に適用されることになっています。つまり、例外を除いて、全ての事業者は労働基準法32条「法定労働時間」の規定を順守しなければなりません。にも拘らず、この日本で、もはや過労死レベルでの長時間労働がはびこっているのはなぜでしょう?不思議だと思いませんか?

三六協定について

労働基準法第36条には「労働者は法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない」と定められています。

そして、その書面を必ず労働基準監督署に届けなければなりません。

しかし、中小企業を中心に、書面の提出はおろか、労働者と使用者との時間外労働の協定すら結んでいないケースも多く、ブラック企業がはびこる原因ともなっています。

働ぎすぎは過労死やメンタルへルスへ悪影響を与える

働ぎすぎによるメンタルへルスへの影響
  • 長時間に及ぶ労働時間による極度の緊張状態の持続
  • 疲労の蓄積
  • 長時間労働による疲労回復時間の減少(睡眠・休養・余暇時間)
  • 上記によるストレスが原因による精神疾患(うつ病、自律神経失調症など)の発症


某大手広告代理店の若い女性社員があまりにもひどい長時間労働と極端な体育会系的な社風で自殺してしまったのは記憶に新しいですね。このように、あまりにもひどい長時間労働は社員の自殺リスクも高めてしまいます。

働ぎすぎによる脳・心臓への影響

長時間労働による弊害は精神疾患だけではありません。命に直結する脳や心臓にも重大なダメージを与えます

  • 長時間労働による疲労の蓄積による血流量の減少
  • 長時間労働による疲労回復時間の減少による健康意識の低下(自分の健康よりも仕事中心)
  • 長時間労働によって食事がおろそかになる。栄養価の偏った食事をとり勝ちになる
  • 長時間労働による心理的ストレスの一時的回避手段として喫煙量や酒量が増える
  • 以上の事が要因になって動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの過労死に直結する脳や心臓の疾患へのリスクが高まる。


日経新聞の社説から

いつの日付だか忘れましたが日経新聞の社説にこう書かれれています

柔軟に働ける制度づくりも忘れずに

政府が残業への規制案を示した。残業時間を実質的に青天井で延ばせる仕組みを改め、月60時間の上限を設けるというものだ。

働く人の健康を確保するため、残業に一定の制限を設けることは妥当だ。ただ働く時間の配分を本人にゆだねた方が生産性が上がる業務の場合は、そもそも労働時間への規制がなじみにくい。柔軟に働ける労働時間制度の整備も忘れないでもらいたい。

政府の残業規制案は、仕事が集中する時期には月60時間を超える残業も認めるが、年間では720時間以内に収まることを義務づける。忙しい時期は2カ月の平均で月80時間を超えないようにすることなどを検討する見通しだ。

仕事の繁閑に対応するため残業の上限を弾力的に定めるのは適切だろう。上限をどうするか、政労使で議論を深めるべきだ。

現在は労使協定で労働時間規制の適用除外になる建設業や運輸業も、政府は一定の猶予をおいて新規制の対象としたい考えだ。人員配置や業務を見直すには、十分な準備期間が要るだろう。

中小企業は納入先企業からのコスト面や納期面の要求が厳しく、長時間労働を招きやすい。独占禁止法や下請法の違反がないか、監視を強化する必要もある。

こうした過重労働対策と同時に、経済のソフト化・サービス化といった変化に合わせた労働時間規制の見直しも、求められる。

厳格な労働時間の管理は、工場労働を念頭に戦後に設けられた仕組みだ。働く時間が長いほど生産が増える工場労働には、時間に応じた賃金の支給が適している。だが、時間で成果が測れないホワイトカラーにはそぐわない。

時間でなく成果に対して賃金を払う「脱時間給」制度は、独創性や企画力で勝負するホワイトカラーなどの生産性向上を促す。この制度の創設を盛り込んだ労働基準法改正案を政府は国会に提出済みだが、本格審議は見送られ続けている。成立を急ぐべきだ。

人工知能(AI)の普及などを背景に、脱時間給制度を活用したい企業は多い。今の政府の制度設計では対象者が高収入の一部の専門職にとどまるが、さらに範囲を広げていく必要もあろう。

脱時間給の導入企業には、労働時間の上限設定や深夜労働の制限などのどれかが義務付けられる。健康確保策を充実し、制度を使える人を増やせるようにしたい。

要約(私の感想)

この社説は、あくまで日経新聞の記者の方が訴えている内容です。

当初の規制案として、月60時間の残業を上限とするとしていますが、今回の残業規制案の合意で、上限を45時間とするとしたのは、メンタルヘルスの保護という観点で納得できます。

ただし、仕事の繁閑に対応し、残業の増減を弾力的に検討するとありましたが、結局、最大100時間までを上限とすることには納得できません。

また。人員が不足がちで納入先企業からのコスト面や納期などの要求が厳しく、長時間労働になりやすい中小企業に対して、社説では監視を強化する必要があると主張していますが、今回の労使合意では、そのことに一切触れられていません。

ますます増えるブラック企業

日本では、せっかく入社しても、すぐに辞めるような人は「根性のない奴」とみなされてしまう傾向があります。

企業はこの弱い立場の労働者の心理に付け込んでいます。劣悪な労働条件で働いていても上から押さえつけられてしまうので、声も上げることもできず、なかなか辞める事も出来ないのです。

発達障害や精神障害の有無に関わらず、健常者でも転職が難しい環境になっており、たとえ劣悪な労働環境でも我慢して働く。仕事がないよりはまし、と考えてしまいます。

また、現在は少子高齢化と不景気により、企業収益が悪化しており、企業は人件費を削らなけらばならない。人件費を削るために社員のリストラ、社員の非正規雇用化を進めます。その結果、社員の数が減っても会社としての仕事量が変わらないので、一人ひとりあたりの作業量が膨大になってしまうのです。

まとめ ますます増える残業時間「月最大100時間」合意 労働者の精神状態は?

政府や経営者には、労働者の心と体の健康を守らなければならないという認識はないのでしょうか?

少なくても、月40時間を超えるような長時間労働は、うつ病などメンタルヘルスに重大な影響を及ぼしますし、心筋梗塞や脳梗塞など、放置すれば、過労死になりかねません。日本では、「労働は美徳だ」という考え方があるかもしれません。昔の高度経済成長の時代では、それこそ長時間残業を厭わない「社畜」と呼ばれるモーレツ社員がいたものです。しかし、現在は若い方を中心に、「自分の時間を大切にしよう。仕事は仕事。余暇は余暇」という考え方が広がっています。

なるべく仕事を早く終わらせて、余暇を楽しみ、疲労の回復に努めようとするのは、実に自然な考え方だと思います。

経営者は、なるべく人件費は払いたくないですから、労働者の立場など関係なく、企業の理念を推し進めようとします。

企業側に、長時間労働がもたらすメンタルヘルスの悪影響への重大さを改めて認識して頂きたいとともに、労働者の方ももっと声を上げて頂きたいと思います。

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