経済学の観点から障害者の賃金がなぜ安いのか どうすれば上がるのか考えてみた

こんにちは ADHDのダイスケです。

障害者の賃金がなぜ安いのか どうすれば上がるのか経済学の観点から考えてみた

私が現在、知的障害者や精神・発達障害者を雇用の対象にする特例子会社に就職してみて、頂ける給与がものすごく安いのに驚いた。大学卒業後、転職を繰り返しながらも一般雇用で仕事をし、その給与は大体23万~24万円前後をキープしてきた。しかし、発達障害が発覚して、発達障害のマイナスの特性が仕事に及ぼし、解雇され続けた。

自分では一生懸命働いてるつもりでも、一般雇用では、発達障害の者は戦力としてみなされない。使い捨てにされるだけである。自分が発達障害とわかってから、企業に特性を理解してもらえ、安心して長く働けるようにと障害者枠か特例子会社への就労を目指した。就職することが出来たが、覚悟はしていたつもりでも、給料がこんなに低いとは思わなかった。現在の私の給与は手取り12万円である。

健常者としてもらう一般雇用でもらう給料は正社員で大卒の初任給にして会社によって違うが月額20~22万円程度である。それから年功序列や職位・経験による昇給によってどんどん上がっていく。

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障害者の賃金がなぜ安いのか

それに対して精神障害者にしろ発達障害は、もし会社に就労できたとしてその賃金は驚くべき安さである。

しかも、一般枠の正社員のように年功序列や経験により職位が上がることはほとんどなく、昇給がないか、あったとしてもその上げ幅はごく小さいものである。これはいわゆる障害者差別ではないか?

一般企業の障害者枠で15~17万円

特例子会社ではもっと安くて11~15万円

下のグラフを見て頂きたい。

障害のある人の給与は年収にして200万円以下の人が全体の98%を占める。障害者への給与面の待遇がいかに厳しいかが分かる。

障害者の賃金がなぜ安いのか

なぜ障害者が働くと賃金が安いのか?経済学の観点からその理由を考えてみた

経済学とは?

経済学とは、モノの値段が決まる仕組みを考える学問である。

モノの値段は需要供給の量の関係で決まる。分かりやすく言うと、需要が多いのに供給が少なければモノの価格が上がるのである。

需要とは購買力の裏付け(要はお金)を持った人が示す「買いたい」という欲望の事であり、供給とは商品やサービスを提供しようとする経済活動の事である。

大学で経済学を勉強した方ならお分かりだと思うが、下の図は需給曲線である。

上の需給曲線のグラフを見れば、需要(買いたい欲望)は価格が下がれば下がるほど増大し、供給は価格が上がれば上がるほど増大する。つまり、買う方は安ければ、たくさん購入することが出来るし、売る方は高ければ商品をうれば売るほど儲かる。

そして、現時点で需要量が供給を上回れば、価格が上昇、逆に供給が需要を上回れば、価格が下落する。このように市場においては、価格は需要と供給の量の関係で自動的に調整されるのである。

モノの値段はそのモノの希少性にも左右される。つまりそのモノに希少性があれば価格があがる。逆にありふれた価値のないモノなら価格は下がる。

労働市場においてはモノの値段を人件費、すなわち労働者に支払われる給与と置き換える事ができる

企業が労働者を雇う時、その給料はどうやって決めているのだろうか?

労働市場において需要者は労働者を雇用している企業、供給者は労働者であり、その対象となるサービスは労働力である。

企業が応募している職種や業務が誰でも出来るような簡単な仕事である場合は、それが出来る者も当然大勢いる。つまり、労働者という供給量が多いため、当然給料も低いものになる。逆に、高いスキルと専門性が求められる仕事の場合はそれが出来る人が限られてくる。ごく一部の限られた人しかその仕事が出来ないので、給料は当然高くなる。

障害者は労働者としての価値はあるのか?

障害者枠や特例子会社などで障害のある者を労働者として受け入れる企業が増えてきている。しかし、まだまだ、給与などの待遇面は低く抑えられたままである。それはなぜだろうか?

発達障害の場合は、うつ病などの二次障害を併発していない限り体力的には問題のない人が多い。適職に就くなど条件が整えば、高いパフォーマンスを発揮する場合がある。だが、それはよほど本人の努力と運に恵まれた場合であってたいていの場合は、うまくいかない。

関連記事

発達障害に向いている職業ってなんだろう?発達障害には天職がある!

うつ病などの精神障害の場合は、採用後、たとえ有能であっても、症状によって休みがちになったり、長く続かない、周囲の人がどのように接した良いかわからないといった悩みを抱える事になる。

障害者枠や特例子会社での仕事は簡単なデータ入力、ファイリング、書類整理など比較的単純な業務内容が多い。企業は障害者には数値責任を伴う営業の仕事や管理職、採用や教育などを行う人事の仕事など責任の重い業務に就かせることはない。なぜなら、その責任の重さからうつ病などの症状をさらに悪化させる事になりかねないからである。

企業にとっては、発達障害者や精神障害者は労働者として雇うのはかなりリスクのあることと言える。したがって、比較的簡単な誰でもできるような業務が多いため人件費が安く抑えられれる。

経済学の観点から考える 障害者でもどうすれば責任のある仕事に就き給料を上げることができるか?

障害を抱えている人でも、企業から信頼され、高い評価を得て、高い給料をもらえるようになることが出来る。本人のメンタル次第であるが・・・

  1. 希少価値の高い人間になれ!
  2. 企業では希少価値の高い者ほど評価される。これは精神障害や発達障害を主な労働者として受け入れる障害者枠や特例子会社でも言える。たとえ、障害があっても、自分の価値を高める努力をする事である。

    障害のある人は能力の高い人が多いのは事実である。前職での激務が原因で精神障害を発症したケースが多いのだが、きちんとした治療を行い、労働環境が変われば障害の症状が軽減される可能性がある。

    そのような人はもともと能力が高いのであって、他の人が真似ができないスキルを身に着ける事が出来ると思う。

  3. 障害があっても自分の障害特性を理解し、受け入れ前向きにいられる者
  4. 障害があってきちんと自分でそれを受け入れ理解し、決して卑屈にならず、前向きに捉えられるようになればおのずとうまくいく。

    私は発達障害のADHDであるが、ADHDにはADHDなりのポジティブイメージがある。いろいろとマイナスが多いのは事実ではあるが、ADHDならではのプラスイメージを武器に、前向きに生きている。明るく堂々と前を向いていこうと思う。ADHDのプラスのイメージは以下の表にある。

    障害特性 マイナスイメージ プラスイメージ
    不注意 ①様々な刺激に気を取られる
    ②考え事をしてしまい集中できずミスが多くなる。
    ③焦りでパニックになる。
    ④忘れやすい。
    ①様々な事への興味関心を示すことが出来る。
    ②根に持たない、後腐れがない。

    多動
    多弁
    ①自分話の要点を掴めず、内容が婉曲でわかりずらい。
    ②ジッとしていられない。集中できない。
    話が好き。人が好き。社交的。
    コミュニケーション力が凄い。
    衝動性 ①作業指示をよく理解せず先走って作業を始めてしまう。
    ②相手の話を最後まで聞かず、話始める。
    ③先走って行動してしまう。
    ④マニュアル通りを嫌う
    ①仕事が楽になる工夫を行うことが出来る。
    ②発想が豊かで好奇心が旺盛。
    ③判断力、実行力がある。
    ④自ら創意工夫する。
    マルチタスクが
    苦手
    ①優先順位が分からない。
    ②作業プランが立てられない
    ③納期が守れない。
    ④好きな事、やりやすいものから作業を始めてしまう。
    マルチタスク管理表などのツールを運用すればマルチタスクに対応できる。
    過集中 興味関心を持った業務にのめりこむ。 好きな事は集中して素晴らしい成果を上げる。
    短期記憶障害 ①一つの事に集中していると他の事は頭に入らなくなり記憶が定着しない。
    ②なくしもの・忘れ物が多い
    嫌なことはすぐに忘れる。
  5. 精神障害や発達障害に理解のある上司や同僚を見つけ味方につける
  6. 障害者枠や特例子会社の場合は、精神・知的・発達障害のある者が労働者として雇用されているので、同僚や上司、先輩も同様の障害を抱えている場合が多い。自分の障害特性を隠すことなくさらけ出すことができるし、障害に対して理解がある上司や同僚がいる。これが安心感を生み、メンタルヘルスを安定化させる。これが仕事のパフォーマンスを向上させ、企業からの信頼を得られるようになる。

来春、精神障害者が法定雇用率の算定対象に!

来年4月から、障害者の法定雇用率が2%から2.2%に引き上げられ、身体障害と知的障害のみが法定雇用率の算定対象だったのが、新たに精神障害も加わる。(精神障害のカテゴリーに発達障害は含まれる。

精神障害を抱える人は前職での激務のために、うつ病統合失調症を発症したケースが多い。もともと能力が高い人が多いが、障害によって労働や日常生活に支障をきたしてしまう。企業にとっては、働く環境を整えさえすれば、十分に戦力になれる人材である。

そのため、この制度改正を背景に大手企業を中心に、法定雇用率達成のために障害者の大量採用に動いていており障害者を立派な戦力としてみなし、定着率を上げようとポートする体勢を整えつつある。

これは、精神障害を持つものにとって追い風になるのではないだろうか?

精神障害を抱える労働者に対するサポート体制の例

  1. 障害者の採用から就労後の支援までサポートする専門部署の設立
  2. 精神保健福祉士を常駐させ、いつでも相談できる体制を整えている会社が増えている。障害を抱える者が安心して働き、定着出来るようになるには何よりもメンタルヘルスである。障害者は心細いものである。メンタルヘルスの専門家が相談に応じてくれるのはなんとも心強い。このような支援体制をもっと広げてほしい。

  3. 有給休暇が使える通院休暇制度の創設
  4. 通院する為に会社を欠勤しなければならなかったが、有給休暇が使えるようになり、より通院しやすくする

    ちなみに私が勤務している特例子会社でも「半日有給有給休暇制度」というのがあり、午前中、もしくは午後に通院や役所などに行政手続きをしたいとき、勤務を半日(4時間勤務)にし、残り半日は有給休暇0.5日を使えるというものである。精神科や心療内科などの医療機関や自治体などは土日祝日は開いていない事が多い。この制度によって、平日でも遠慮なしに通院したり、行政手続きが出来るのはありがたい。

  5. 短時間勤務制度
  6. 体調により、短時間でも勤務できる制度を創設。精神障害を抱える人は症状によってフルタイムで働けない場合が多い。こうした短時間で勤務できる制度があるのはありがたい。

まとめ

法定雇用率の算定基準の改定により、精神障害を法定雇用率に含めるようになることによって、労働者としての障害者のニーズが高まりつつある。

まだまだ、障害者に対する偏見や差別がある世の中であるが、これは我々障害者にとって喜ばしい事である。

こうした障害者を取り巻く環境の変化とともに、障害者自ら努力することも大事だと思う。なんとか、低く抑えられている待遇面が引き上げられ、障害者が胸を張って堂々と生きられるような社会になってほしい。

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コメント

  1. ななし より:

    >一般企業の障害者枠で15~17万円
    >特例子会社ではもっと安くて11~15万円

    とありますね。
    障害枠で、ボーナスがないケースがほとんどなので、どう頑張っても年収200万円の壁があります。
    家賃を払って一人で暮らしていくにはかなり厳しいです。