発達障害や精神障害を抱える方への精神的・社会的支援は本当に十分か?

発達障害や精神障害を抱える方への精神的・社会的支援は本当に十分か?精神障害者福祉手帳のメリット・デメリットなど

目次

こんにちは ADHDのダイスケです。

今回の投稿は発達障害や精神障害を抱える方たちの法的支援が本当に充分なのかについて検討したいと思います。

発達障害や精神障害を抱える方への精神的・社会的支援は本当に十分か?

うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの精神疾患やADHD、広範性発達障害、自閉症などの発達障害を抱える方が、行政からどのような支援を受けられるかまとめてみました。

精神障害者福祉手帳

うつ病や双極性障害、統合失調症などの精神障害や精神疾患を抱えていて仕事や日常生活に支障がある場合、精神障害者福祉手帳を行政から交付してもらう事によって、様々な支援を受けることが出来ます。

「私は○○の障害があります。」と内外に証明するものです。

もちろん、私のような発達障害も含みます。

私は3年前に発達障害ADHDと診断され、居住する管轄の保健所に申請して、精神障害者福祉手帳の3級を取得しました。精神障害者福祉手帳を取得する事によって、就労移行支援事業所で職業訓練を受ける事が出来ましたし、特例子会社に就労する事が出来ました。

あくまで結果論ですが、精神障害者福祉手帳を取得してよかったと思っています。

精神障害者福祉手帳の等級について

精神障害者福祉手帳には等級があります。障害の重いものから順に1級、2級、3級とあります。

等級 状態
1級 .精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

1級は誰かの支えがないと一人で生活するのも困難である場合で、一人では食事や入浴、外出もできない程度の障害を抱える程度のもので、2級は誰かの支えがなくても一人で外出でき、極めて単純な仕事なら可能な場合があります。3級は比較的障害の程度が軽く、ある一定の配慮の元では就労が可能です。

精神障害者福祉手帳の適用・交付の対象となる精神疾患

  • 統合失調症
  •     

  • 非定型精神病
  • そううつ病
  • てんかん
  • 中毒精神病
  • 精神遅滞を除く器質精神病
  • 高次脳機能障害
  • 精神神経症状をともなう発達障害

精神障害者福祉手帳所持者が得られるメリット 訓練等給付について

精神的および身体的の障害を抱えている方で、主に精神障害者福祉手帳所持者に対して自治体や行政は自立した日常生活や社会生活を営むことが出来るように支援します。

以下の表は訓練等給付をまとめたものです。

サービスの種類 内容
自立訓練 生活能力の維持向上のための訓練の支援を行う
宿泊型自立訓練 自立訓練(生活訓練)の対象者のうち、日中に一般就労や外部の障害福祉サービスを利用している者で、地域以降に向けて一定期間、居住の場を提供して帰宅後における生活能力等の維持・向上のための訓練等の支援を行う
就労移行支援 65歳未満の物で、企業等への就労を希望する者、または技術を取得し、就労を希望する者への支援を行う
就労継続支援A型 企業等に就労することが困難なもので、雇用契約に基づき継続的に就労することが可能な65歳未満の者の支援を行う。
就労継続支援B型 一般企業等の雇用に結びつかなかった者や50歳に達しているもので、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者の支援を行う。
自助グループ 地域において共同で日常生活を営む上で、主として夜間において相談、その他日常生活上の援助などの支援を行う

利用期間限度については、自立支援、宿泊型自立支援、就労移行支援で各2年となっています 。

他に、特別支援学校への入学の際に、精神障害者福祉手帳の写しの提出を求められる事もあるそうです。

参考サイト

りたりこ発達ナビ

精神障害者福祉手帳所持者が得られるメリット 所得控除

精神障害者福祉手帳をもっている方は、所得税や住民税の控除を受けられます。標準的なサラリーマンだと、所得税は「所得の10%-97500円」です

例えば。障害者手帳を持っている人(精神・身体)が年収200万円だとして、所得税が年間いくらになるかという計算をします。

普通の人 20,000,000×0.1-97500=102,500円
障害者手帳を乗っている人 20,000,000-260,000×0.1-97,500=76,500円

障害者手帳を持っている人は、所得控除によって、年間で2万6千円も安くなります!住民税も同様です。

障害者手帳を持っていることで、年間にしてみればかなり税金が安くなり、これなら私も文句はありません

所得税率について

課税される所得金額 税率 控除額
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円

住民税・所得税の控除について

対象者 名称 所得税 住民税
精神障害者福祉手帳
1級
特別障害者控除 40万円 30万円
精神障害者福祉手帳
2~3級
障害者控除 27万円 26万円

精神障害福祉手帳の交付を受けていることで受けられるその他の支援・サービス

障害者手帳を持っていることによって受けられる助成・援助にいては次のようなものがあげられます。

  • 軽自動車税が減免される
  • NHK受信料が免除される
  • 水道料金が免除される
  • 自動車税・自動車取得税の免除
  • 有料公共施設使用料の免除
  • 携帯電話料金の割引
  • 公共交通機関の割引

詳細については、各自治体、会社にお問い合わせください

以下の外部サイトに精神障害者福祉手帳を持っている事で公共交通機関の運賃の割引が適用される会社・自治体の一覧がありますので、詳しくはそちらをご覧ください。

精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス 全国版
障害者に関する割引・減免制度及び福祉措置一覧

障害者福祉手帳を持つことによるデメリット

精神障害者手帳を持つことによるデメリットは主に精神的なものです。

障害者手帳を交付されたとき、「あ~自分は障害者になったんだ」と心が暗くなりました。この先どんな人生が待っているのかと。

せっかく手帳をもっていても、その障害に対して理解を得られない・・・そう感じる方も多いと思います。

私も就労移行支援事業所で職業訓練を受けていて、それに並行して就職活動をしていたのですが、自分が障害者であるという事で求人に応募しても相手にされず、書類選考さえ通らないという事が続きました。

「障害者は就職さえできないのか。やはり障害者は偏見に晒されている」と痛感しました。

その後、苦労して特例子会社に入社できたのですから、幸せなのかもしれません。障害を抱えている人で就職できない人も大勢いらっしゃるのですから。

自立支援医療制度

うつ病や双極性障害などの精神疾患を抱えている場合,精神的な症状(意欲低下、集中力低下、判断力低下、疲労感など)のために仕事に支障が出てきてしまいます。仕事を長期的に休まなければならなかったりして経済的にも大変です。

また、精神疾患の治療には、継続的に行なわれる場合が多いのでなおさら負担が増えます。

自立支援制度は、精神疾患を抱えている方たちの経済的負担を少しでも軽くするために始まった制度です。通常の疾病は医療保険が適用され基本的にかかった医療費の3割が自己負担です。しかし、自立支援制度を利用すると1割負担で済みます。

自立支援のおかげでストラテラが9000円から2500円に!

私はADHDの当事者ですが、実はADHDや広範性発達障害などの発達障害にも適用されます。自立支援医療制度は私も利用しています。これで経済的に随分と助かっています。

ADHDと診断されて薬物療法としてストラテラを処方されています。薬物療法を開始してからしばらくの間自立支援を申請していなかったのですが、普通の3割負担で、なんと1か月分(1日2錠×30日=60錠)で9000円もしました。それが、自立支援のおかげで2500円になったのです。


自立支援医療制度の概要を表にまとめました。

所得区分 自己負担額(上限額)
生活保護 0円

低所得1 市民税非課税
(本人収入>=80万円)
10%
(2500円)
低所得2 市民税非課税
(80万円<本人収入)
10%(5000円)
中間所得1 市民税額
(所得額)<3万3千円
10%
(医療保険自己負担上限額)
中間所得2 3万3千円<=市民税額(所得割)
<23万5千円
10%
(医療保険自己負担上限額)
一定以上 23万5千円<=市民税額
(所得割)
公費負担対象外

参考資料 船橋市保健所 「精神保健福祉のしおり」

就業もできないのに、医療費を全額自己負担するのは本当にきつい

精神障害やわたしのような発達障害は自立支援医療制度で精神科や診療内科に1割負担で受診できるが、それ以外の診療科目には健常者と同じように3割負担を求められる。これが本当にきついのです。

同じように悩まれている方はきっと大勢いらっしゃると思います。

これについて、精神障害や発達障害を抱えている方にも自立支援医療制度の適用を拡大するように求める声が上がっています。

発達障害や精神障害を抱える方への支援は本当に十分なのか?
一般疾患の医療費「身体」「知的」には適用

東京都は障害のある人に、障害や一般疾患の医療費を助成する心身障碍者医療費助成制度(マル障)を儲けている。ところが、この対象には精神障害がある人々は含まれていない。精神障害者の家族会は「障害者間の差別ではないか」と問題視し、対象の拡大を設けている。

都の助成制度の主な対象は、身体障害者手帳の1級、2級と、知的障碍者に交付される「愛の手帳(療育手帳)の一度、二度の人たち。所得制限などの条件を満たせば、制度の適用を受けている身体、知的障害者が風邪やケガなどで内科や外科、歯科などを受診した場合、かかった医療費の三割に当たる自己負担分は都が負担する。

ところが、この制度の適用対象に精神障害者は含まれていない。このため、都内の統合失調症双極性障害(躁うつ病)の患者家族らが亀している「東京都精神保健福祉家族連合会(東京つくし会、会員数3,500人)」は適用対象に精神障害を含めるよう訴えている。

1月12日東京新聞の記事より抜粋

私は、大いにその意見に賛同します。

就労支援は十分なのか?

私は、現在就労支援を受けて就労が決まったので退所しましたが、就労移行支援事業所での利用限度が2年となっています。これはあくまで私の考えですが、利用限度が2年というのはちょっと短すぎる気がします。

就労移行支援事業所に通って目指すのは「障害者枠での就労」という事になりますが、これは年々厳しさを増しています。利用期間2年では就労できない方大勢いらっしゃいます。

就労移行事業所を利用し始めてから2年で結果が出なければ、自治体に延長をお願いするか、就労継続支援A型もしくはB型の利用の選択をしなければなりません。

自治体によって、利用期限の延長が厳しいところもあります。利用期限は2年ではなく、せめて3年。5年でも短くはないかなと思います。

自助グループとは

発達障害や精神障害を抱えた方が相互支援のために作る自助グループの事です。

発達障害や精神障害の当事者は自分に対する評価が低く、社会や学校、地域で孤立しやすいです。そこで同じ悩みを持った仲間と語り合える場所として、とても有益なのです。

なかなか、仕事や学校でうまくいかず、思いを吐き出して「実は俺もそうそうなんだ」と悩みを共有することができ、「つらいのは自分だけじゃないんだ」と精神的にとても安定し、明日への活力となるそうです。

申し訳ありませんが、私は参加したことがないどので、この記述は自助グループに関する書籍を参考にしたり、実際に参加されたことのある方の話を聞いてそれを参考にして記事を書いています。

障害福祉サービスの利用の手続き

訓練等給付の手続きについては、各自治体によって方法が異なると思います。各自治体にお問い合わせ下さい。

費用 申請 詳細
申請に必要なもの ・精神障害者保健福祉手帳もしくは自立支援医療受給者証(精神通院医療)等
・本人またはその配偶者などの世帯構成や収入等がわかるもの
・健康保険証
・印鑑
費用 世帯の収入(障害者の場合は本人及び配偶者の収入)により、1月に支払う利用者負担額の上限が設定される

障害年金について

発達障害や精神障害を抱える方への精神的・社会的支援は本当に十分か?

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

障害基礎年金は障害の原因をなった病気やケガ、精神疾患の初診日が次のいづれかの間にある事が必要です。

障害基礎年金

1

20歳前または日本国内に住んでる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間

2

国民年期加入期間(上記以外の方)

3

障害の状態が障害認定日または20歳に達したときに「障害等級表」に定める1級または2級に該当すること。

4

保険料の納付条件を満たしていること。(20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合はその限りではない)

障害厚生年金

1

厚生年金の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日がある事

2

障害の状態が、障害認定日に、障害等級表が定める1級から3級のいづれかに該当していること。

3

保険料の納付条件を満たしていること。

初診日とは、障害の原因になった病気やケガで初めて医師などの診察を受けた日。

障害認定日とは、障害の状態を定める日の事で、その障害の原因をなった病気やケガについての初診日から1年6ヵ月を経過した日。

発達障害や精神障害を抱える方への精神的・社会的支援は本当に十分か?

障害年金は年々受給が厳しくなっている

最近は、障害年金の受給が厳しくなっているようです。国の年金財政がとても厳しくなって、それとともに、申請してもなかなか申請が通りづらくなっています。

私も障害者年金を申請しましたが、案の定というか、当然のごとく却下されました。

また、今まで年金をもらっていた方が、突然、年金支給を打ち切られることもあるそうです。

私の考えとして、いくら国の年金財政が厳しいからと言って精神的障害や発達障害を抱えている方にとって、年金は欠かせないライフラインですので、打ち切ったり、申請基準を厳しくするのはいくらなんでもおかしいと思います。

せめて、障害者福祉手帳を取得している人に対しては無条件に年金を受給できるようにしてもらいたいものです。

障害者差別解消法について

障害者差別解消法っていう法律があるのをご存知ですか?

身体障害者や精神障害者の差別や偏見をなくすために定められた法律です。

精神障害者の場合、見た目では普通の人と変わらないために差別や偏見を受けやすいのが現実です。

身体的な障害を持った方も、精神的な障害を持った方も、不当な差別的取り扱いを受けないようにするために、また合理的な配慮を受けられない事がないように環境を整備することを目的に制定されました。

障害者差別解消法とは?制定の目的や対象、支援体制などについて

まとめ

発達障害や精神障害を抱える方たちの支援体制が果たして本当に充分なのか調べてみました。その結果、自立支援のおかげで、めちゃくちゃ高い精神治療の薬を安い値段で購入出来たり、就労移行事業所での訓練が無料で受けられたり、所得税や住民税の控除が受けられたりと経済的なメリットがたくさんあります。

自立支援医療制度の適用が精神医療に限られていることや、就労移行事業所の利用期限が2年と限られていることに私は不満を感じますが、行政や法律による手厚い(?)支援があるおかげで、ADHDの私でもそれほど経済的な心配をせずになんとか暮らしていく事が出来るんだなって思っております。

しかし、精神障害者福祉手帳所を持っていると、交通機関の運賃が割引になるという事ですが、割引になるのは全ての交通機関というわけではありません。地域や会社によって違いますし、その数が限られています。

携帯電話利用料金の割引についても、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの大手のスマフォキャリアに限られているようです。私が利用するYモバイルなどの格安キャリアはもともとの料金が格安のため、精神障害者福祉手帳所持者に対しての携帯電話利用料金の割引サービスはないようです。

このあたりは、精神障害や発達障害に対する無知や偏見を感じるのです。

依然として消えない発達障害や精神障害への偏見と差別 障害を抱えていても正々堂々と生きられる社会になってほしい

行政や法律による支援は若干支援体制が不十分だと感じますが、一番は、はやく偏見や差別がなくなればいいと思います。

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