薬に頼らず発達障害の症状を軽減して社会復帰する方法を考える

薬に頼らず発達障害の症状を軽減して社会復帰する方法を考える

薬に頼らず発達障害の症状を軽減して社会復帰する方法を考える

こんにちは ADHDのダイスケです。

薬に頼らず発達障害の症状を軽減して社会復帰する方法を考える

前回の記事で、私のように発達障害ADHDのある人が、普通の人(健常者)と同じように社会人として世の中に通用するようにするには、ADHDの治療薬とされるストラテラやコンサータを服用する薬物療養が有効だと書きました。

前回の記事をFacebookに投稿したところ、「ストラテラを服用すると注意力が高まり、余計な事を考えなくなり集中力が高まり、薬の効果を実感するが夜眠れなくなる」「ストラテラを服用すると吐き気がひどくなる」といったコメントがありました。

このようにADHDの治療薬を服用する薬物療法には、人によって不眠や吐き気などいろいろな副作用があり、ADHDの症状のある全ての方に薬物療法をお勧めできるわけではないとう事が分かりました。

またこんな意見もありました。

一般的な解説は聞いても意味がない。自身の内面の状況をもっと具体的に、つぶさに表現してもらわないと、本当の辛さやしんどさはほとんど伝わって来ない。

神経伝達物質の機能も、あくまでも仮説で、きっちりと証明された事実ではない。

もっと自分の底力を信じて、自分本来が持つ自助能力や自浄能力を高める方法を見つけ出す試みはないのだろうか?

薬の能書きは専門家に任せて、本人はいかに薬を飲まずに、症状を出さないよう出来るか、工夫や意識の発見に目を向けたほうがいいのではと思う。

私の場合は、ストラテラを服用し始めて3年半くらいになるので、体も薬に慣れて、これといった副作用もなく、かえって服用しないと体や精神状態がおかしくなるので、あのような記事を書いてしまいましたが、独りよがりの記事だったと反省しています。

それならばと、無理して体に合わない薬を服用しなくてもADHDの症状を改善する事の出来る認知行動療法環境調整法について詳しく書いてみたいと思います。

認知行動療法

パニック障害、社会不安障害強迫性障害心的外傷後ストレス障害(PTSD)、恐怖症など不安や恐怖が原因で精神状態がおかしくなり、心身ともに何らかの悪い症状が出た場合の心理療法としてとても有効なものです。

認知行動療法とは、強いストレスや不安や恐怖などが原因で生じる認知のゆがみを矯正して元の健全な精神状態に戻すものです。

認知のゆがみとは頭の中で自然に浮んでくるいわゆる「マイナス思考」や「苦手意識」。心の中で勝手に湧いてくる悪いイメージですね。これを自動思考といいます。環境やストレス、その人の特性などによって歪められてしまった物の捉え方で、それが常態化してしまった状態です。

自分の思い通りにならないと、「なんて自分はだめな人間なんだろう」と自分を過小評価してみたり、「どうせ何をやってみてもうまくいかないだろう」と最初から諦めてみたり。

そんな苦手意識やマイナス思考があると、頭痛がしたり、恐怖心や気分の落ち込み、抑うつなどが生じて、行動しようとおもっても足がすくんでしまいます。

こういう考えをしてみるとわかりやすいと思います。

例えば、財布の中に1万円あったとします。その1万円を「まだ1万円もある。ラッキー!」と考えるか「1万円しかない」と考えるかで違ってきます。

「まだ1万円もある」と考えた方が心に余裕が持てます。次にお金が入るまで、どのようにお金を使うか計画を立てて行動する事が出来ます。ところが「もう1万円しかない」と考えると、不安や心配になってきて頭の中が混乱してきて余裕がなくなります。

「もう1万円しかない」と考えがちな人は、強いストレスや不安のせいで心身がおかしくなりやすいので、何らかの対策が必要です。

認知行動療法では、そのような頭の中で勝手に湧いてくる自動思考がいかに現実とかけ離れているかを冷静に分析して、元に戻す事を目的にしています。これは、一人では困難なので、かかりつけの精神科の医師の力を借りたり、同じ障害に悩む人の集まりであるグループホームなどを通じて行います。

認知行動療法 認知のゆがみをどのように矯正するのか?

 

では、その「認知のゆがみ」はどのように矯正するのか?

認知行動療法は主に精神科や心療内科の主治医の先生とのカウンセリングや面談で行われます。また、社会人として最低限必要な社会性を身に着けるソーシャルスキルトレーニングがあり、これは就労移行事業所などの職業訓練として行われます。

また、同じ発達障害特性を持つ人があるデイケアや自助グループに参加するのもいいかと思います。

私の場合は自分が発達障害ではないかと疑い、初診の際に心療内科の先生に次のように言われました。

どうしましたか?

勤めていた会社を首になりました。先生、僕はなんの仕事をしてもミスばかりして長続きしないで、すぐにクビになってしまいます。はっきり言って仕事をするのが怖いんです。自分は発達障害じゃないでしょうか?

どうゆう失敗したのですか?

精神科・心療内科の正しいかかり方・見分け方 発達障害当事者からの提言

上司の仕事の指示を聞かずに先走って仕事をしてしまい、ミスして怒られてしまいました。

また、多くの仕事を持たされると何からやっていいのか優先順位が分からないのでパニックになってしまいます。また焦ったり慌てたりしてよけいミスをします。

また、仕事をしていてつまらないから、早く帰りたいと思い、早く時間が経たないかなといつも時計ばかり見ています。

今、精神的にストレスを感じていますか?

精神科・心療内科の正しいかかり方・見分け方 発達障害当事者からの提言

自分は何をやってもダメで。

自分なんか世の中になんの役にも立てないどうしようもない人間なんだって本当に自分が嫌です。

    

結婚していますが、嫁や同居している義理の母からも、「だらしない。三歳児よりもひどい」「実の親からどうゆう教育をされていたのか」なんて言われています。こんな事ばかり言われているので本当に辛く離婚したいと思っています。

 

それは辛いですね。では、もう一度あなたの人生を振り返ってください。幼少期から現在に至るまでどのように過ごしてきてどのようなストレスを感じてきたか思い出してください。それがあなた自身を見つめ直すことになりますから

精神科・心療内科の正しいかかり方・見分け方 発達障害当事者からの提言

そうですね。幼いころは、一人でいるのが好きで友達がいませんでした。よく家で電車の絵ばかり描いていました。それから諸学生の時は、友達になじめずいじめられていました。

中学高校時代はどうでしたか

精神科・心療内科の正しいかかり方・見分け方 発達障害当事者からの提言

普通に勉強できました。学校の授業で先生が黒板に書いた事をノートにキレイにまとめたりして覚えていました。

それからどうでしたか?

精神科・心療内科の正しいかかり方・見分け方 発達障害当事者からの提言

中学・高校生の時は割合普通でしたが、大学生になりバイトをやるようになりましたが、このバイトはつまらない、面白くないと思うと自分勝手にバイトを無断欠勤してみたり、自分からすぐにやめてしまったりしてました。

社会人になってからも全く同じでどんな仕事をやっても長く続かず、今まで10回も転職しました。

精神科・心療内科の正しいかかり方・見分け方 発達障害当事者からの提言

そうですか。そしたら、今、どのようなストレスを感じてどのように思うのか、なにが原因でそのストレスを感じているのか、いままでの人生で出来たこと、得意な事、苦手な事を整理して紙に書いて下さい。

まとめると以下のようになります。

  • 自分自身を見つめ直す
  • 自分自身が感じているストレスを整理する
  • そのストレスがどのような場面で発生するのか思い出し整理してみる
  • そのストレスが原因で引き起こされる自動思考(頭の中で勝手に出てくる悪いイメージ)を思い出し整理してみる
  • その自動思考がどのような勘定や行動を及ぼすのか思い出して整理してみる
  • 整理が済んだら紙に箇条書きでいいから書いてみる。

自分自身を見つめ直すという事は、今までの自分の人生を振り返る問いことですね。幼少期に友達がいっぱいいてみんなと楽しく遊んでいたか?勉強は出来たのか?働くようになってから仕事はミスなくきちんとできたのか?職場での人間関係はうまくやれたのか?・・・・

もちろん、私は全てにおいて×ですが。。

私も、心療内科で診察を受け、今までの成育歴をまとめるように言われ、正直に先生に言いました。その結果、発達障害ADHDと診断されました。

発達障害と診断されたことで今まで感じていたストレスはあくまで、脳の機能が普通能人と違う発達障害の特性からくるもので、努力して治るものではないという事が分かり、だいぶ気持ちが軽くなりました

私にとっての具体的な認知行動療法 就労移行支援事業所での職業訓練

認知行動療法で一番大切な事は、生活のリズムを整える事、自分を振り返り自分が何が得意で何が苦手なのかを認識する事、苦手な事を徹底的にたくさん抱え込ませ(負荷をかけ)それを自分でどのように解決させるかを考えさせる事です。

私は就労移行事業で1年8カ月もの間、職業訓練を受けたことで、それまであんまり考えて来なかった自分の苦手な事、得意な事を知ることができ、苦手な事に対して自分でそのように解決させるかを自分で知ることが出来ました。

就労移行支援事業所で職業訓練を受けるまで気がつかなかった自分の苦手な事。ダメな事

発達障害ADHDと診断され就労移行支援事業所で職業訓練を受けるようになるまで普通の会社で一般就労してきました。もちろん健常者として。

当時は常識では考えられないミスや失敗をしてきました。

発達障害ADHDと診断されるまで「健常者」として一般企業に勤めていましたが、こんな事ばかり考えていた本当にどうしようもない奴だったのです。

上のイラストにあるように、仕事を持たされるととにかく時間内に終わらそうとして焦ってしまう。そして、普通の人では考えられないようなミスをする。

紙類の倉庫でフォークリフトを使って出庫作業をしていましたが、誤出庫はしょちゅうだし、フォークリフトを慌てて運転操作するからパレット積みしている紙製品にフォークリストをぶつけて商品をダメにしてしまったり。

また、やらなければならない事が増えてくると、とにかく何をしていいのか分からなくなる。仕事の優先順位が分からなくなる。そしてパニックになるという事もありました。

また、普通の人なら、仕事の手順は聞いただけで覚えられるでしょうが、私の場合は覚えられません。

あと、報連相がとにかく苦手でした。

普通の人の常識から言って、仕事で失敗したら上司や仕事の責任者に報告するでしょう。報告しなかかったら事が大きくなってさらにえらい事になります。

ところが、失敗する事を報告したりすると、普段ミスばかりして上司の自分への評価が最悪なのに、また悪くなってしまう。また怒られると思い、それが怖いので失敗した事を報告しません。

そんな事ばかりやっていたから、私の事を誰も信用しなくなり、誰も話しかけてくれてさえしてくれませんでした。

何をやるにしても、自信が持てなくなりました。仕事はもちろんの事、私生活でも。就職しても、すぐにクビになるので仕事をするのが怖くなりました。

この会社を首になり発達障害と診断され、なんとか、普通の社会人として仕事ができるようなりたいと思い、就労移行支援事業所で訓練を受けることにしました。これが、私にとっての最高の認知行動療法になりました。

この就労移行支援事業所での職業訓練で具体的に何をやったかというと次の通りです。

  • 体調管理の徹底
  • 挨拶の習得と習慣化
  • 報連相の習得と習慣化
  • メモを取ることの習得と習慣化
  • 作業マニュアル作成の習慣化
  • タスク管理の習得と習慣化
  • 徹底した自己分析

他に、より具体的な職業訓練として、パソコンスキル習得。(エクセルやワードなどオフィスソフトの操作など)

この訓練は、認知行動療法のカテゴリーの一つの「ソーシャルスキルトレーニング」です。

人間が社会で行動する上で絶対に欠かせない挨拶や身だしなみをこの訓練で徹底的に仕込まれました。まあ、この就労移行の訓練は大変でした。

なお、この就労移行支援事業所での職業訓練のようなソーシャルスキルトレーニングはあくまで、社会人として社会性を改善させることで、普通の人に近づけるようにトレーニングするものであって、よく言われている発達障害ADHDの才能と言われている独創性とかある意味での自由さ、飛躍性を取ればするものではありません。

就労において最低限必要なコミュニケーション能力を身に着ける

就労移行支援事業所で何をやったか、具体的に書いていきます。

体調管理

実際の会社では、自分の体調管理ができず休んでしまう事がよくある社員は信頼されませんからね。実際、訓練期間中は、訓練をほとんど休んでいません。

挨拶の徹底と習慣化

私は発達障害と診断される前、健常者として普通の会社で働いていた時は挨拶もろくにできませんでした。社会人失格です。そこで、就労移行支援事業所では、挨拶を徹底するように厳しく指導されました。

まず、訓練所に入室する時に大きな声で「おはようございます。」、私用などで外出するときは「○○へ行ってきます」戻って来た時は「ただいま戻りました」訓練が終わり帰るときは「お先に失礼いたします」

挨拶は職場の人間関係を良好に保つ一つのツールです。挨拶をしなかったらお互いなんか無視されたような感じがしていやですよね。


タスク管理表

私の場合はやることがたくさんあると優先順位がわからなくて混乱してします。

そこで、就労移行支援事業所での職業訓練ではやらなければならない業務のリストを作り、優先順位を明記し、「この時間はこれしかやらない」とあらかじめ1日のタイムスケジュールを決めてしまうものです。

やらなければならない事を「タスク」といいますが、「タスク管理表」を作成して、実行することです

また、各訓練課題の中で優先順位を決め、優先順位の高いものから作業を行うことにしました。

また作業の終わったものに関しては、済マークを記入します。これにより、作業の重複を防ぐことが出来ます。これにより各作業に集中して取り組むことが出来ます。

薬に頼らず発達障害の症状を軽減して社会復帰する方法を考える

メモを取る

私のような発達障碍者が仕事をするには「メモを取る」ことです。

口頭での指示をメモを取らないで聞き流していると記憶に残りません。あいまいな記憶に頼って仕事をすることになりかねません。その結果上司の指示と違うことをやってしまってやり直しなんていうことになリます。そのためにも「メモを取る」ことは重要です。

現在就労している企業では「どんどんメモを取れ」と言われます。そのために社員は必ずメモ帳とペンを業務中に携帯していなければなりません。

報連相

「報連相」はなにも発達障害を抱える方だけでなく、ビジネスに関わる全ての人にとって不可欠です。

部下や同僚が行っている仕事を共有化し、同じ目的を追求するグループとして問題を解決するうえでなくてはなりません。ところが、発達障害を抱えている方は報連相が苦手だという方が少なくありません。私も苦手でした。

業務(訓練)を行う上でこの「報連相」を重視し、徹底した報連相の反復を行います。その結果、毎日欠かさず訓練終了後に業務報告を行える様になりました。

職業訓練を行った結果

訓練は私にとって時には厳しく時には楽しいものであり、私にとって何が得意なのか、何が不得意なのかを見極める事が出来ました。
毎日の訓練で、自分の特性を知る事も出来ました。

同じ訓練内容を毎日反復して行うことにより、たとえそれが不得意のものでも、それに対する恐怖心や苦手意識を取り除く事も出来ました。

毎日の訓練のおかげで、自分自身の障害を簡潔にまとめ、特性や企業様への配慮事項を伝えられるようになりまし、障害者が就労するのは難しいと言われる中、特例子会社への就労もできましたし、現在も順調です。

みなさんにお伝えしたいことがあります。

精神科や心療内科できちんとカウンセリング受け、職業訓練を行う機会があれば参加して訓練を毎日休まず一生懸命続けていけば、必ず自分の特性に気付きますし、得意、不得意な事もわかってきます。

それが分かれば面接や実習の場で生かされますし、採用につながると思います。

どうか、体調に気を付けてなるべく休まずに訓練を続けてください。

以下の表は、主治医の先生とのカウンセリングや職業訓練で知りえた自分自身の弱み・強みです。ADHDの方は大体同じようなものだと思いますが・・・

障害特性 マイナスイメージ プラスイメージ
不注意 ①様々な刺激に気を取られる
②考え事をしてしまい集中できずミスが多くなる。
③焦りでパニックになる。
④忘れやすい。
①様々な事への興味関心を示すことが出来る。
②根に持たない、後腐れがない。

多動
多弁
①自分話の要点を掴めず、内容が婉曲でわかりずらい。
②ジッとしていられない。集中できない。
話が好き。人が好き。社交的。
コミュニケーション力が凄い。
衝動性 ①作業指示をよく理解せず先走って作業を始めてしまう。
②相手の話を最後まで聞かず、話始める。
③先走って行動してしまう。
④マニュアル通りを嫌う
①仕事が楽になる工夫を行うことが出来る。
②発想が豊かで好奇心が旺盛。
③判断力、実行力がある。
④自ら創意工夫する。
マルチタスクが
苦手
①優先順位が分からない。
②作業プランが立てられない
③納期が守れない。
④好きな事、やりやすいものから作業を始めてしまう。
マルチタスク管理表などのツールを運用すればマルチタスクに対応できる。
過集中 興味関心を持った業務にのめりこむ。 好きな事は集中して素晴らしい成果を上げる。
短期記憶障害 ①一つの事に集中していると他の事は頭に入らなくなり記憶が定着しない。
②なくしもの・忘れ物が多い
嫌なことはすぐに忘れる。

認知行動療法は家庭でもできるか?

認知行動療法は家庭でもできると思います。

私のように幼い時から発達障害の特性による行動特性によって苦しみ、仕事や家庭でうまくいかないにもかかわらず発達障害とは分からずただの性格のせいだと思っていて、だいぶ年を取ってから初めて発達障害と診断された人は、職業訓練によるソーシャルスキルトレーニングで社会性を取り戻すしかないです。

しかし発達障害と診断またはその素質があるお子さんがまだ幼いうちは、親御さんのご指導によって薬に頼らず社会性を向上させる事が出来ると思います。

  • お子さんに簡単なおつかいなどをさせる
  • 買ってくるものをメモさせる
  • 家の掃除や皿洗いなど簡単な家事をさせる
  • 間違っても決して怒らない。怒鳴らない
  • できたら褒める
  • 「○○が良くできたね」と具体的に褒める

家庭でできる認知行動療法は子どものよいところに注目して,伸ばすということを重要視するのです。

でもこれは意外に難しいそうです。(私は子供がいないのでよくわかりませんが)

私の母親は、息子(私)が自分の思い通りに動かないとすぐにイライラしてすぐに怒鳴ります。これは一番よくありません。多くの親は,自分の子どもの行動にイライラしたり,不満がたまっているものです。

最初は意識的に子どものよい行動,適切な振る舞いを見つけ出すようにしましょう。

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