障害年金の受給 就労が難しい精神・発達障害者に立ちはだかる「2級の壁」 | よりよく生きるためにADHDと上手に付き合い幸せになる方法

障害年金の受給 就労が難しい精神・発達障害者に立ちはだかる「2級の壁」

こんにちは!ADHDのダイスケです。

日本国憲法にはこんな条文がある

この憲法25条は、国民にはいわゆる生存権があり、国民の生活を守るために国家が積極的に関与し国民のための生活保障をしなければならないと定めている。

この理念の元、「持つ者と持たざる者」の格差が激しく生じてしまいがちな資本主義経済の中で、困窮に陥った国民を保険や公の負担で経済保障を図り、国家扶助により全ての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにするのが社会保障制度である。

ところがこの憲法25条に定められた「最低限度の生活」すら送れない人たちがいると思う。それは「就労が難しい精神障害・発達障害に苦しむ人たち」である。

国はこのような社会的弱者こそ優先して生活保障をしなければならないと思うのだが、切り捨てられている現実がある。

障害年金の受給 就労が難しい精神・発達障害者に立ちはだかる「2級の壁」

障害者年金とは?

病気やけがのために働くことが出来なくなったり、生活に支障をきたす人のために支給されるのが「障害者年金」である。これは生活保護と同じように生存権のためのセーフティーネットである。

ところが、受給資格には個人差があり、障害の程度が重くても受給できなかったり、反対に障害の程度が軽くても受給できたりする。とにかく不平等なのである。制度の欠陥だと思う。

働きたくても働けない人や障害の程度が重い人が障害者年金を受給できないのはそれこそ憲法25条違反なのではないか?

私はこんな新聞記事を目にした。

名古屋市に住む40代の自閉症の男性は障害者年金を不支給とする決定を受けた。

男性は「労働が著しい制限を受ける」として3級は認められた。しかし、初めて医療機関を受診した「初診日」に厚生年金に加入していなかった。

「初診日」の時点で厚生年金に加入していれば(つまり、会社勤めをしていて被雇用者であれば)月額49,000円の障害者年金を受給する事が出来た。

しかし、この男性は自閉症の診断を受けたのが5歳の時。大学院の博士課程まで進み、卒業に必要な単位は習得した。しかし、卒業論文がかけずに退学した。それ以来、小学校の発達障害児の支援員や自治体の障害者枠に毎年応募しているが、採用に至った事はないという。

現在、男性は無職で収入がなく、70歳前後の両親の年金と定年後の再雇用で働く父親の収入を頼りに実家で生活しているという。

東京新聞5月17日朝刊18面より記事の要点を編集

この記事のポイントは、男性が自閉症だという事。自閉症がある方の就労は大変難しい。男性は知能は高いのにも関わらず、「相手の意とを読み取る事が非常に苦手で、人と接する場面で強い不安を覚える」と診断されている。

どんな人でも就労を勝ち取るには面接試験を突破しなければならない。

面接には圧迫面接というのがある。圧迫面接というのは、試験官が就活性に対して臨機応変な対応がとれるかどうかをチェックするためにわざと意地悪な質問をしたり、否定的な態度を取ったりすることだ。

普通の人ならその場その場の状況に応じて面接官の質問に応じて臨機応変な対応を取ることが出来るが、自閉症の人はそれが出来ない。

想定外の質問が出されたらパニックになって何も答えられなかったり、逆に何か得意な事を聞かれたりするとそれにこだわって一方的に話し続けたりする事がある。

この事が自閉症のある人が面接試験を突破して採用にこぎつけることを阻む大きな原因となっている。

働きたくても働けない発達障害や精神障害のある人の障害者年金の受給の難しさ

発達障害や精神障害のある人が障害者年金を受給するためには、精神科か心療内科を受診して現在の障害の程度がどれくらいなのか判別してもらわなければならない。

その障害の程度を表したものを障害等級という。障害等級の内容を調べてみた。

障害等級
  1. 障害等級 1級
  2. 他人の介助を受けなければ自分の身の回りのことができない程度

  3. 障害等級 2級
  4. 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度

  5. 障害等級 3級
  6. 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度

働いている人は企業に雇用されている。企業に雇用されているというのは厚生年金に加入しているという事だ。病気やケガで働けなくなって休職したときに初めて医療機関を受診したとき(初診日)に会社に雇用されていれば、初診日に厚生年金加入者としてより障害の程度が軽い3級から受給が認められる。

しかし、働いていない人、働きたくても働き口がない人は雇用されているわけではないので国民年金への加入となる。国民年金の加入者は障害の程度がより重い2級からでないと受給が認められない。

この基準は「障害のある者」すなわち身体障害を抱えている人でも適用される。しかし、見た目で分かる身体障害と違って、精神障害や発達障害は見た目では分からないため、診断は主治医の主観に委ねられる場合が多い。

先ほどの新聞記事に出てきた男性も日常生活は支障なく、「おおむね出来る」「助言や指導があれば出来る」と判断され、出来ないと判断されたのは「対人関係」だけだったそうだ。

障害等級が「2級」と判断されるには社会生活だけでなく、日常生活も一人でするには極めて困難と判断されなければならない。この壁はものすごく高い。

精神障害や発達障害を抱える人の就労は本当に難しい。就労というスタートラインに立てる事さえできれば、厚生年金に加入する事ができて、その時点で医者にかかって「初診日の時点で厚生年金加入」というハードルをクリアする事が出来る。しかし、そのスタートラインに立つ事さえできずに、障害年金をもらう事ができずに苦しんでいる人がいる。

私はこのように本当に苦しんでいる人に対しては厚生年金の加入の有無に関わらず、3級からでも受給資格を認めるべきではないかと思う。現在の障害者に対する社会福祉制度は本当に矛盾に満ちている。

年々厳しくなっている障害者年金の受給

最近は、少子高齢化のため高齢者への社会保障費が増大している。

国は、老齢年金の受給開始年齢を遅らせたり、高齢者自身へ医療費の負担を要求するなどして、何とか社会保障費の増大を食い止めようとしている。

しかし、このストレスフルの世の中、うつ病などの精神疾患に苦しむ人が増えており、その障害年金への国の負担が増えている。そのため、精神障害者に対する障害年金の負担を抑えようとしている。

精神障害者や発達障害者は見た目では分からないため、判断基準が曖昧というか不明確だ。身体障害者のように明確に障害が分かり基準が明確であり、数値によって判断でるが、精神障害者の場合、そうもいかない。

国は、精神障害者の年金受給の要件が曖昧なのをいいことに、受給基準を厳しくしているようである。そのしわ寄せが我々のように本当に苦しんでいる者に及んでいる。

発達障害や精神障害者が障害者年金の受給申請が通りやすくなる診断書の書き方

私は発達障害ADHDという事もあり、社会人として仕事を通じて社会生活を行う事に限界を感じてきた。とうとう無職になり、これから本当に会社に就職できるのだろうか?この先は収入がなく人生どうなってしまうのだろうかという不安でどうしようもなかった。

発達障害があって日常生活や社会生活に支障がある場合は障害者年金を申請することが出来ると知り、申請する事にした。ところがものの見事に却下されてしまった。

「障害者年金って受給するのは難しいんだな」と痛感した。

この経験から私のような発達障害や精神障害を抱える者がどのようにしたら障害年金を受給できるかどうか考えてみた。いわば反省である。

  1. 主治医に診断書をとにかく悪く書いてもらう
  2. 私の場合は主治医に診断書を書いてもらった時点に就労移行支援事業所で職業訓練を受けていて、訓練は無給なので収入を確保するために訓練が休みの土日にレンタカー屋で受付・接客のアルバイトをしていた。

    そのため、「働けるのなら日常生活は普通にできますね」と判断されてしまった。「発達障害や精神障害で症状の重い人は働きたくても働けませんし、引きこもりになる人も多いですよ」と言われた。

    働いていると医者に「日常生活はできる」と判断されてしまう。しかし、発達障害や精神障害のある人は家族の支援があってこそ働けるのである。本人の努力だけではどうしようもない。その辺の理解が精神科の医者にもわかっていない。

    とにかく、診断書を書く医者は見た目では分からないので障害の程度を軽く判断してしまう傾向があるが、それでは通らない。とにかく悪く書いてもらう必要があるのだ。

    アルバイトでも働いている人は決して医者に「働いている」とは言ってはいけないし、嘘はいけないがありのままを医者に言うのではなく、「日常生活をするのに家族の支援が必要」だというべきだ。

    そのためにも普段から主治医との信頼関係を築くべきである。

  3. 主治医に診断書を書いてもらう前に社会保険労務士に相談する
  4. 社会保険労務士とは、労働関連法令や社会保障法令に基づく書類等の作成代行等を行い、また企業を経営して行く上での労務管理や社会保険に関する相談・指導を行う事を職業とする為の資格、およびそれを職業とする者をいう。

    障害年金の申請を専門に行う社会保険労務士というのも存在する。年金申請を考えている方は自分で申請を行うより全て社労士にお任せした方がいい。

    申請が通る診断書の書き方も詳しく教えてくれると思う。診断書は医者の主観の要素が強いので、医者との接し方もアドバイスしてくれる。

    私が失敗したと思うのは、社会保険労務士に相談する前にいきなり医者に診断書を書いてもらったことだ。私は比較的元気で仕事には多少の制限があったが日常生活には支障がない。そのことを正直に言ったらその通りに書かれてしまった。

    これでは申請が通るわけはない。

  5. 発達障害だけでは通らない。発達障害が原因の2次障害も診断書に書いてもらう
  6. 発達障害があるだけなら申請は通りにくい。発達障害が原因による2次障害もなければなかなか認められない。たとえば発達障害があって仕事上のミスが多く自信を失ってしまっているなどとストレスを抱え、それが原因でうつ病や不安障害を併発してしまい、生活に支障が出てくるケースだ。

    私の場合、発達障害の特性が顕著に出ていた診断前の時から仕事や日常生活で生きにくさを感じていたが、幸いなのか不幸なのか分からないがうつ病などの深刻な2次障害には至っていない。

まとめ

発達障害や精神障害のある人は働きたくても働けない人が多い。

私の場合は特例子会社という障害のある人の受け皿となっている企業で働くことが出来ているのでまだまだ幸せなのかもしれないが、本当に発達障害や精神障害のある人に対しての就労の機会が限られている。

このように本当に支援が必要な人に対して障害年金の受給の判定基準が厳しく、受給できない人が多いのは社会保障制度の矛盾を感じる。まず働きたくても働けない発達障害や精神障害を抱える人に対して障害の程度が軽い3級からの受給を認めるべきだ。

また発達障害や精神障害を抱える人の働き口が非常に限られているというのも深刻だ。

2017年の障害者白書によると身体障害者と精神障害者を合わせた障害のある者の合計は392万人。就労者数は身体障害者の33万人なのに対して精神障害者はわずか5万人。

4月から精神障害者が企業や自治体の障害者雇用義務になったとはいえ、まだまだ雇用環境が整ってきたとは言えない。

精神障害や発達障害のある人に対して差別や偏見をすることなく、どうか労働者として受け入れる環境をもっと整えてほしい。そうすすれば年金ももっと簡単に受給できるようになり、生活の楽になる。

企業や国、自治体はもっと精神障害や発達障害のある人の事を思いやり、勉強してほしい。

次のページで障害年金の日常生活の状況などからの障害等級の認定基準を判定する項目を調べて書いてみました。

コメント

  1. ななし より:

    そもそも障害者雇用の給料が安すぎます。
    特例子会社で単純作業に限定されます。

    障害があると軽度でも給料がかなり安くなります。
    それを補うために、障害者年金がどうしても必要です。
    あと、プラス65000円がないと生活が回らないです。